米求人数が大幅低下!市場の反応は?

この日発表されたJOLTS求人およびISM非製造業景況指数の結果とマーケットへの反応について解説しています。

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米国JOLTS求人は予想を大きく下回る

JOLTS求人
結果:873.3万件
予想:930.0万件
前回:955.3万件

 

引用元:https://twitter.com/Min_FX/status/1732052578048090285

 

米国の求人数の指標となるJOLTSが発表されましたが、予想を大きく下回る結果になりました。
JOLTSは普段はあまり注目されない指標なので、サイトによっては重要度が低く扱われることもありますが、現在のマーケットのテーマはインフレで、そのインフレの大きな要因になっている雇用市場は普段よりも注目されており、JOLTSの注目度も上がっています。

 

JOLTS(Job Openings and Labor Turnover Survey)は、アメリカ合衆国労働省労働統計局が毎月発表する雇用統計です。雇用主が労働者を募集している求人数(非農業部門)を調査したものです。
JOLTSは、雇用市場の需給バランスを示す指標として重要視されています。求人数が多いということは、雇用主が労働者を必要としている、すなわち労働需要が高いことを示しています。一方、求人数が少ないということは、雇用主が労働者を必要としていない、すなわち労働需要が低いことを示しています。

 

JOLTS(求人数)が減ると雇用需要が減ることになりますので、雇用需要が高すぎることによる賃金インフレが起きにくくなります。
賃金インフレが下がれば、消費が落ち込むので製造業やサービス業(特にサービス業)のインフレも下がり、全体のインフレも下がりやすくなります。
FRBはインフレが下がらなければ利下げしないというスタンスなので、今のマーケットはインフレが下がる要因に注目している、ということですね。

 

ロイターがまとめたエコノミスト予想は930万件だった。
9月分は955万3000件から935万件に下方修正された。
10月の失業者一人当たりの求人件数は1.34件と21年8月以来の低水準となった。

 

引用元:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/6I4I5TE5FJPTJMYGSWDEQM7GX4-2023-12-05/

 

今回の結果は予想930万に対して、結果873万と、予想よりも60万近く下がっており、さらに前回の結果も下方修正されています。
まだ失業者の数よりも求人数の方が多い状況なのでデフレになるような状況ではありませんが、一時期の求人数が1200万近くあったことを考えると大分改善してきたなぁといった感じです。

 


元画像はこちらから引用:https://jp.investing.com/economic-calendar/jolts-job-openings-1057

 

コロナ前のレベルである700万付近まで下がればインフレも大分落ち着くんじゃないでしょうか?
なので、そのレベルが見えてくる800万割れくらいになると、市場はもっと大きく反応するかもしれません。

 

ちなみに今回のJOLTS求人発表後のマーケットの反応はこんな感じでした。

 

 

 

金利低下に株高と素直な反応です。市場が雇用市場の動向に注目していることが伺えますね。
ただ、同じ時間に発表されたISM非製造業景況指数については若干良い結果だったので、大きくリスクオンとはなりませんでした。

ISM非製造業景況指数は少し強い結果に

ISM非製造業景況指数
結果:52.7
予想:52.0
前回:51.8

 

ISM非製造価格
結果:58.3
前回:58.6

 

ISM非製造雇用
結果:50.7
前回:50.2

 

引用元:https://twitter.com/Min_FX/status/1732052578048090285

 

JOLTS求人と同時に発表されたISM非製造業景況指数は予想よりも若干良い結果になりました。
景況指数が良いということは景気が良いということですので、インフレにとっては悪化する可能性があり、今のマーケットには悪材料になります。
ただ、そこまで強い内容ではなかったので今回はJOLTS求人の方がインパクトがあったかなと思います。